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カテゴリー:山梨県

北杜市の太陽光発電の実験施設

当ブログの12月6日記事「大規模太陽光発電設備からの送電実験」の別記事。産経新聞系のIZAサイトの12月13日記事「壮観!八ケ岳山麓に太陽光発電パネルの群れ」から一部を引用する。

広大な八ケ岳南麓で陽光を受ける太陽光発電パネルの群れ。その数ざっと1万数千枚。地球温暖化で異常気象が続き、二酸化炭素を出さない太陽光発電を本格導入するため独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)が公募した新エネルギー実験候補地に、山梨県北杜市が手を挙げたのは平成18年4月。日本海地域のように「弁当忘れても傘わすれるな」という多雨地域では陽光は得られない。日照時間が十分にないと、本格導入のための実験は難しい。

北杜市環境課の新エネルギー担当者によると、「この付近一帯は日照時間が長いんです。年間で2900時間ぐらいになります」。国内平均が2千時間程度といわれており、陽光の多照地帯といっていい。

その理由を、北に八ケ岳、西に南アルプス、南に富士山など2千-3千メートル級の山々が湿った季節風の流れ込みを防いでいるためだとの説がある。昭和56年に地元の明野中学校の気象観測委員会が年間日照時間を測定し、この年は3105時間を記録したという。

実験は石油に代わるエネルギーを作り出そうというのだから、スケールが大きい。実験地の面積は約10ヘクタール。24種類のパネルが設置され、今月3日から実証研究システムの本格運用が始まった。太陽光が生む電気は直流。これを交流に変えるパワーコンディショナーの実用化試験だ。

規模から換算すると、年間予想発電量は約200万キロワット。一般家庭なら570軒分に相当する。初夏の穏やかな陽光がパネルに降り注ぐ。だが内情は化石燃料に頼らない将来エネルギー開発という緊迫した国家プロジェクトが熱く展開されているのだ。

今年4月、経済産業省とNEDEが、地域にマッチした地産地消型新エネルギー導入好事例を全国に広めようと選定した「新エネ百選」にも選ばれた。...(牧井正昭)(C)IZA

このIZAサイトは産経新聞の通常のニュースサイトとは異なり、「ニュース配信サービスにユーザー参加型の双方向サービスを組み込んだ新感覚のニュースサイト」とIZAサイトに書かれていたので、記事の書き方は通常の産経新聞とは異なる書き方なのだろう。とは思うが、あまりに冗長かつ情緒的な記事だ。

そもそも、最後のスペルミス(NEDEではなくNEDO)は別にして、記事に誤りがある。「年間予想発電量は約200万キロワット」ではなく「年間予想発電量は約200万キロワット時」と、最後に"時"が必要。もうひとつ、この実験の目的は「パワーコンディショナーの実用化試験」と書かれているが、前回ブログの引用記事の「今回の研究では、実際に東京電力の送電網を使い、天候の変化で出力が不安定になる太陽光発電の課題を克服できるかを調べる」と、これはスマートグリッドのための基礎研究なのだ。パワーコンディショナー、それも大規模なパワーコンディショナーも何十年も前に実用化されているのだから「パワーコンディショナーの実用化試験」はトンチンカン、ありえない。

そして、このメガソーラーの設置場所が日照時間が多いので太陽光発電に適していることに記事の1/3くらいを使っている。この施設の概要と目的の紹介が優先のはずだ。また「化石燃料に頼らない将来エネルギー開発という緊迫した国家プロジェクトが熱く展開」の"緊迫"と"熱く"は極めて不適切。この記事を書いた牧井さん、この2つの言葉を定義してごらんなさい!。極めて情緒的形容詞だ。

この牧井氏は産経新聞の甲府支局のかたらしい。ということは新聞記事を書く訓練は受けているはずなのに、この記事はひどい。そもそも新聞記事は、結論を先に書くべきなのではないか。

この引用記事で唯一、情報を得た。経済産業省とNEDOが地域にマッチした地産地消型新エネルギー導入好事例を選定した新エネ百選だ。選定結果一覧のとおり、このプロジェクトは
北杜サイトメガソーラー ~北杜市太陽エネルギープロジェクト~
として掲載されている。ここに選定された事例についてはこのブログでも時々紹介してゆく。

大規模太陽光発電設備からの送電実験

今日も昨日に引き続き山梨の話題。読売新聞サイトの12月4日付記事「世界の太陽光パネル1万枚、送電研究始まる」から一部を引用する。

山梨県北杜市の太陽光発電施設で、日本を含む米国や英国など9か国・地域の太陽光パネル24種類、計約1万枚で発電した電力を首都圏へ送電する研究が始まった。

施設では、独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)が、北杜市とNTTファシリティーズに委託して世界各地の太陽光パネルの発電効率や特性を比較する研究を行ってきた。

今回の研究では、実際に東京電力の送電網を使い、天候の変化で出力が不安定になる太陽光発電の課題を克服できるかを調べる。送電は3日から始まり、発電出力は1800キロ・ワット。一般家庭約600軒分の電力が賄える。(C)読売新聞

この研究施設の太陽光発電システムは出力1800キロワット、ということは1.8メガワット、ということで、これは立派なメガソーラーだ。このメガソーラーと、東京電力の実際の送電網を使って、大規模太陽光発電システムからの送電の実証実験だ。実質的には、スマートグリッドのテストだろう。

太陽光発電は日照により発電量が大きく左右される。そして夜はもちろん発電しない。ということは、送電網の立場から見ると、不安定な出力を持つ大規模発電所がその送電網中に存在している、ということになる。その発電量の変化と、地域による電力使用量の変化に併せ、あたかもインターネットのように送電のルートを変えなければならない。さもないとある地域は電力不足となり停電してしまう可能性があるのだ。このようなインテリジェントな送電システムをスマートグリッドと言う。今回は、この新聞記事には書いていないが、スマートグリッドまでを含めた送電実験と予想する。

事業仕分けの結果、山梨県のメガソーラー建設に影響が

このブログの11月9日記事「山梨県に東京電力がメガソーラー」で、東京電力が山梨県に出力10メガワットの大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設予定であることを書いた。ところがこのメガソーラー建設に黒雲が。その原因は、先日終了した事業仕分けだ。読売新聞山梨版12月4日付記事「事業仕分け影響148に可能性」から一部を引用する。

政府の行政刷新会議が予算の削減を目的に行った事業仕分けで、県や市町村に関係する148事業に影響が出る可能性があることがわかった。このうち44事業は廃止や見直しなどが確実だ。県が東京電力と共同で行う大規模太陽光発電事業「米倉山太陽光発電所(仮称)」にも影響が及ぶ可能性があり、県が進めてきた「環境先進県」の取り組みにブレーキがかかるのではという懸念が強まっている。

横内知事が3日の県議会11月定例会の代表質問への答弁で、具体的な事業数を明らかにした。

知事は今議会の所信表明で「ソーラー王国やまなし」を掲げ、太陽光発電など環境施策の推進に強い意欲を示していた。しかし、148事業の中には県の環境施策に影響が出かねない事業が複数含まれている。

米倉山の太陽光発電事業に影響しそうなのが、「新エネルギー等導入加速化支援対策費補助金」だ。仕分けでは予算を半減とされた。東電が同補助金を活用して太陽光発電施設を建設予定で、総事業費は60億~70億円を見込む。(C)読売新聞

「新エネルギー等導入加速化支援対策費補助金」は事業仕分けにより予算は半減された。この補助金を利用して東京電力は同メガソーラーを建設予定だったため、影響は避けられない。

前記新聞記事によれば、他にも事業仕分けの結果、山梨県かつ太陽光発電関連で影響を受ける事業は次のとおりだ。

県が2012年に開館予定の新県立図書館も同補助金を使って太陽光パネルを設置する予定だ。県環境創造課は「米倉山や新県立図書館が予算半減の対象となれば、規模の縮小などにつながる可能性がある」と指摘する。

一般家庭への太陽光パネルの設置に国が補助金を出す「住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金」は「見送り」となった。県は国の制度に加え、独自の補助制度を設けて設置を促進してきた。同課は「補助金がなくなれば、設置する家庭も減る」と懸念する。

「公立学校施設整備事業」は「削減」とされ、校舎の耐震化工事に予算を特化するよう求められた。公共施設の太陽光発電化を進める県は、県立学校への太陽光パネル設置に同事業の予算を活用してきただけに、今後の設置に水を差すことになりそうだ。(C)読売新聞

この中に書いてあるとおり、一般家庭向け太陽光発電システム設置補助金は事業仕分けにより削減された。このことは二酸化炭素削減に重大な影響を及ぼすため、経済産業省は予算復活を目指すらしい。

山梨県に東京電力がメガソーラー

朝日新聞サイト山梨版11月7日記事「県無償提供地に太陽光発電建設」から引用する。

■東電と協定締結

県と東京電力は6日、甲府市下向山町に計画する大規模な太陽光発電所の建設を共同で進める基本協定を締結した。県土地開発公社が約152億円をかけて造成し、県が約42億円で買い取った44ヘクタールの土地の一部を無償で提供。総事業費60億~70億円のうち約5億円を、県がPR施設の設置などで負担する。

発電所建設は10年度に着工。11年度に出力5千キロワットで一部開始し、13年度末までに出力1万キロワットに引き上げる。年間発電量は一般家庭約3400戸分に相当する約1200万キロワット時、これによる年間のCO2の削減効果は、約5100トンを見込んでいる。

土地の無償提供について、横内正明知事は会見で、「地域活性化としての公共性が高い」と説明した。操業による法人事業税は、年間約5千万円の見込みという。 (C)朝日新聞

電力各社は大規模な太陽光発電設備、いわゆるメガーソーラーシステムを各地に建設中だ。この記事は東京電力のメガソーラーで、山梨県と共同で事業を進める。

発電所の規模は2013年末に出力1万キロワット、ということは10メガワット。年間1200万キロワット時の発電量を想定している、とのことだ。メガソーラーとしては普通の規模だ。

しかしその建設費のうち山梨県の負担分はかなりの金額だ。「県土地開発公社が約152億円をかけて造成し、県が約42億円で買い取った44ヘクタールの土地の一部を無償で提供。総事業費60億~70億円のうち約5億円を、県がPR施設の設置などで負担する。」とのことなので、山梨県の負担分は152億+42億+5億= 計199億円、なんと、約200億円という巨大なプロジェクトなのだ。県レベルで200億円近い出費が可能ということに驚くが、これほどの金額を公共性が高いとはいえ一企業たる東京電力に提供することに批判はあるだろう。

山梨県知事は会見で、「地域活性化としての公共性が高い」と説明したそうだが、そうだろうか?公共性が高いことは当然だが、地域活性化化に繋がるのだろうか。メガソーラーは広大な土地は必要だが、いったん設置してしまうと維持にそれほど人手は要らないはずだ。メガソーラー建設が地域活性化に結びつくかどうか、疑問だ。

そして収入は、操業による法人事業税の年間約5千万円とのこと。約200億円の償却はとても無理な数字だ。山梨県は東京電力に過大な供与をしているように感じるのは私だけだろうか。

山梨の工事事務所の太陽光発電システム

今日は山梨県の話題。山梨日日新聞9月15日記事「工事事務所の電力 太陽光発電で賄う 身延・瀬戸の建設会社」から。

身延町瀬戸の建設会社「松井組工友」(松井俊臣社長)は、同町八坂の建設工事現場の事務所に太陽光発電装置を設置した。

設置したのは県発注治山ダム工事現場のプレハブ事務所で、期間は7月から来年3月まで。事務所の屋根に6基の太陽光パネルを取り付けた。1日当たりの最大出力は約3キロワット。バッテリーに蓄電するため、夜間の使用電力も賄うことができる。

同社によると、電気が通っていない山間地の現場では、通常、発電機で使用電力を賄う。太陽光発電装置の導入で発電機の騒音や振動が抑制できるほか、二酸化炭素排出量の削減にもつながるという。

太陽光発電システム設計施工のロード(甲府市下小河原町)によると、建設工事現場の事務所は使用期間が短いため、初期投資がかさむ太陽光発電装置の導入は全国的にも珍しい、という。松井組工友では「太陽光発電では燃料費が必要ないため、5年ほど使用すれば採算が取れる」として、導入を決めた。

同社の長田賢治主任は「山間部が多い峡南地域では電気が使用できない現場も多い。今後も環境に配慮した工夫を試みていきたい」と話している。(C)山梨日日新聞

ダム等の工事現場には電気の通じていないことが多い。その現場の工事事務所の電力は、通常は発電機を使うことになる。その発電機の代わりに太陽光発電システムを設置した、という記事だ。

この太陽光発電システムの最大出力は3キロワット。小規模家庭用とほぼ同じ規模だ。そして日照の無い時間に電気を使うことも当然あるため、蓄電池も併設した。

一般家庭の太陽光発電システムは、来月から始まる固定価格買取制度を使用しても設置費用の元をとるのに10数年かかる。しかし今日の事例は、通常は発電機を使用する代替としての太陽光発電なので、発電機の燃料代を考慮すると5年も使用すれば採算が取れる、とのことだ。もちろん、発電機の燃料を使用しないことで二酸化炭素の排出減にも貢献する。

5年以上存続する工事現場事務所でないと設置できないだろうが、もしそのような工事事務所があれば全国で太陽光発電システムを設置してもらいたい。

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