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カテゴリー:兵庫県

豊岡市のエコハウス

今日は兵庫県豊岡市の話題。1月23日の読売新聞サイト記事「CO2半分モデル住宅 豊岡市23年度公開…太陽光に燃料電池」から一部を引用する。

兵庫県豊岡市は、地球温暖化防止を啓発する省エネ住宅「エコハウス」を同市城崎町の「ハチゴロウの戸島湿地」駐車場に建設している。太陽光発電装置や燃料電池、ペレットストーブを設置し、冬は日光が室内によく入るようにし、夏には夜間に冷えた空気を室内に取り込む構造にする。一般住宅よりも二酸化炭素(CO2)の排出を半減させるのが目標。3月末に完成させ、4月以降に公開する予定。

2007年度の家庭からのCO2排出量は、1990年度比で4割以上増加していることから、環境省が全国20か所で環境共生型住宅モデル整備事業を実施。豊岡市がこの事業に参加し、設計案を業者から公募で選び、昨年12月に基礎工事を始めた。

木造2階建て約165平方メートルで、間取りは5LDK。夏は蒸し暑く、冬は寒い豊岡盆地の気候に合うように、土壁や断熱材を使う。

「タカ」と呼ばれる吹き抜け空間を設け、日差しがよく入るようにし、温かい空気が天井から床まで循環するようにした。

夏は、窓に格子戸をつけて西日を和らげ、熱気は天井付近の窓から逃がすようにした。瓦と断熱材の間に設けた空間の空気が夜に冷やされると、屋内に入って涼しくなる工夫もされている。(C)読売新聞

豊岡市が省エネのモデル住宅「エコハウス」を建設している話題だ。

このエコハウスは、環境省のエコハウスモデル事業に基づく事業だ。エコハウスとは次の定義だ。

■エコハウスとは
地域の気候風土や敷地の条件、住まい方に応じて自然エネルギーが最大限に活かされることと、さらに身近に手に入る地域の材料を使うなど、環境に負担をかけない方法で建てられることがエコハウスの基本となります。

環境省エコハウスモデル事業では、「環境基本性能の確保」「自然・再生可能エネルギー活用」「エコライフスタイルと住まい方」の3つのテーマを基本的な考えとした上で、地域の特性を十分に活かした家づくりを目指しています。
1)環境基本性能の確保
(1)断熱 (2)気密  (3)日射遮蔽 (4)日射導入 (5)蓄熱 (6)通風 (7)換気 (8)自然素材

2)自然・再生可能エネルギー活用

3)エコライフスタイルと住まい方

4)地域らしさ

もちろんこの事業には環境省の補助金があり、それにより豊岡市はエコハウスを建設中だ。3月末に完成、4月から公開、の予定だ。

豊岡市のエコハウス地域推進協議会資料によれば、この設計は公募され12の応募があり、最終的に「いるか設計集団(神戸市)」が最優秀に選ばれた。その選定理由は次のとおりだ。

最優秀者は、高温多湿な気候に対応するため、古い家屋に見られる吹き抜けを暑気・湿気の排出ルートにし、1・2階の吹き抜けの空間を中心に部屋を配置し、住まいとしての開放感と暮らし方をよく考えた提案である。外観も、南西面の大きなガラス面に日除けとなる格子戸を組み合わせ、北東側には、蔵をイメージさせる小さな窓を配置し、日射対策と周囲の景観との調和も考慮されている。

また市のエコハウス推進地域協議会議事録によれば、このエコハウスの設計の特徴は次のとおりだ。

■エコを意識した設計の主なポイント
・バイオマス利用(ペレットストーブ・FF 式)
・太陽光発電、燃料電池
・工期を短縮するために土壁パネルを採用
・雨水利用、手押しポンプ(中水利用)
・自然素材の利用(木材、和紙、コリヤナギ、炭など)
・壁面緑化(北東に緑化スクリーン、エコハウスのファサード)
・エネルギー表示(広間に表示パネル)
・空気循環方式の床暖房(広間)、ほかは温水の床暖房
・格子による直射日光の遮断(8 月の西日を基準)
・吹き抜けには、冬の寒さ対策のため、障子の折戸で1階と2 階を区切る仕組み
にする。
■水害対策
・床上65cm で壁を区切り、冠水した場合、下だけの補修で済む。
・コンセントも高い位置に配置
・床板はムクの杉板
■その他設備
・エネファームとエコキュートの2つの設備を導入。比較が可能。
(使用時に切り替えが可能)
・照明は、LED と高効率タイプの蛍光灯を採用。
・スイッチを区分けて省エネできるようにする。
・1階の広間に、エネルギーの表示板を設置。

という特徴だ。これはモデルハウスなので通常の住宅よりはすこし大きく、また設備も過剰・重複している部分がある。通常のサイズ・設備のモデルハウスのほうが住民の参考になるのでは、と思った。そのほうが建築価格も参考になるだろう。このモデルハウスでは建築価格は参考にならない。

それにしてもこの事業を担当している豊岡市の担当課が「コウノトリ共生課」という名称には少々驚いた。豊岡市はコウノトリが飛来する町だったのだ。

最後に読売新聞への苦言。最初の引用記事のタイトル中に「CO2半分モデル住宅 豊岡市23年度公開」とある。これを見て2023年公開とはずいぶん先の話、と思ったのだがこれは元号だった。なのに記事本文中の年号はすべて西暦で元号表記は無い。これは読者を混乱させる。なおタイトルの平成23年度公開は、22年度の誤りではないか?記事を読むと、このエコハウスが公開されるのは今年4月なのだ。

加古川市の小学校中庭を改修して太陽光発電

今日は兵庫県加古川市の話題。読売新聞サイト1月14日記事「加古川・志方小にエコ庭…東播工高生と改築 太陽光発電で水循環など」から。

環境に優しい中庭を造ろうと、兵庫県立東播工高(兵庫県加古川市)の生徒と加古川市立志方小の児童が昨年5月から取り組んできた同小の中庭改築工事が完了し、13日、児童らにお披露目された。

土木科の実習先を探していた同高と、環境学習に力を入れる同小の希望が一致。同高土木・建築・電気の計3科の3年生24人と、同小の5、6年生103人が、中庭(広さ約20平方メートル)を改築した。

児童らが太陽光発電を利用した池の水の循環装置や散水用に雨水をためる水槽などを発案。生徒らは昨年5月から構想を練り、8月に着工、地元の土木・造園業者らの指導を受けながら、廃材などを利用して、あずま屋や花壇を完成させた。
...(C)読売新聞

兵庫県加古川市の高校生と小学生が共同で小学校中庭の改修工事を行った話題だ。あずま屋とその屋根に太陽光発電装置を設置し、その電力で池の水の循環装置を動かす。もちろん生徒だけでは力不足なので、地元の土木・造園業者の指導を受けながらの作業だったそうだ。

そもそもこの共同作業は、工業高校の土木科の実習先に環境教育に熱心な小学校を選んだ、ということのようだ。

このような試みは全国に広めるべきだ。

淡路市の太陽光発電設備は出力1メガワット

今日は淡路市の話題。毎日新聞サイト淡路版12月3日記事「淡路市:太陽光発電施設、生穂新島に整備 環境立島のシンボルに /兵庫」から。

淡路市は2日、同市生穂新島の県企業庁所有地と市庁舎など計4カ所に太陽光発電施設を整備する、と発表した。約1000キロワットの出力で、電気は市庁舎などで使用。年1000万円の経費節減が可能になる。市は「環境学習の拠点として整備し、環境立島のシンボルにしたい」としている。

同市が近畿圏で日照時間が最も長いことや、環境立島・淡路のシンボルになることなどから、国の公共施設省エネグリーン化推進事業に採択された。事業費約4億6000万円は、環境省の地域グリーンニューディール基金から拠出される。

計画では、市庁舎北側の県企業庁所有地約1・5ヘクタールと津名浄化センターの敷地、市庁舎と地域交流センター(仮称)の建物の屋上に太陽光発電パネルを設置。来年春に着工、同年秋の稼働を目指す。完成すると、全国の自治体では東京都水道局朝霞浄水場の出力1200キロワットの施設に次ぐ2番目の規模になる。

年間発電量は約100万キロワット時で、市庁舎と地域交流センター、津名浄化センターの3施設で使う使用量の約半分を賄う。年間電気代(約4000万円)の4分の1の節減が見込まれ、土、日曜日に発電した電気は売電。年間約300トンの二酸化炭素が削減できるという。(C)毎日新聞

淡路市が設置予定の太陽光発電設備は市内4箇所に設置し、出力は1000キロワット、つまり1メガワットと大型だ。市レベルでメガソーラーを保有している市は他には無い。自治体レベルでは東京都の朝霞浄水場の太陽光発電システムの出力1200キロワットに次ぐ2番目の規模とか。

この太陽光発電設備は来年春着工、秋稼動の予定だ。事業費は4億6000万円で、すべて環境省の地域グリーンニューディール基金でまかなう。設置費用が4億6000万円で出力が1000キロワットだから、1キロワット当たりの設置費用は46万円となる。これは家庭用の太陽光発電システム設置に比べて非常に安い。スケールメリットもあるだろうが、恐らく薄膜型の安価な、そして発電効率は若干落ちるタイプの太陽光パネルを使用すると思う。そうでもないとこの価格にはならないだろう。

年間発電量は出力1000キロワットから予想される数値の100万キロワット時そのものだ。この発電量は、市庁舎と地域交流センター、津名浄化センターの3施設で使う使用量の約半分に相当するそうだ。

さすがに日照に恵まれた淡路市ならでは、の設備だ。今後、日照に恵まれた瀬戸内海沿岸の自治体の太陽光発電設置が加速することが予想される。

甲子園球場に太陽光発電-2

このブログの一番最初の10月8日記事「甲子園球場に太陽光発電」で、甲子園球場の銀傘に設置される太陽光発電システムについて書いた。今日はその続編。毎日新聞サイト12月2日付の記事”甲子園球場:「銀傘」に太陽電池パネル設置 エコ球場へ”から。

阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)の内野席を覆う「銀傘」上で太陽電池パネルの設置作業が進んでいる。「エコ」をテーマの一つに進められている全面改修の一環。阪神電鉄によると、プロ野球の本拠地球場で太陽光発電設備を設置するのは国内初という。

全面改修は来春完成予定。太陽電池は、横140センチ、縦80センチのパネル1600枚を年内にも取り付ける。年間約19万3000キロワット時を発電し、球場内で利用。蓄電はできないが、球場全体の電力量の5.3%に相当し、年間約133トンの二酸化炭素排出を削減できるという。名物のツタを再生させて壁面緑化にも取り組む。「環境に優しい」ニュー甲子園が誕生する。(C)毎日新聞

年間発電量が約19万3000キロワット時、ということは、この甲子園球場の太陽光発電システムの出力は約200キロワットと予想する。今回の引用記事では設置費用は書かれていないが、当ブログ初回記事によれば1億5千万円とのこと。すると、1キロワット当たりの設置費用は75万円となる。家庭用の太陽光発電システムと比較すると少々高めの価格だ。

少々高めとなる理由を探した。初回ブログによると、この太陽光発電システムで使用される太陽光パネルは、ホンダソルテック製のCIGS太陽電池なのだ。これは先進的な次世代太陽電池。発電効率が高く劣化しにくい特徴を持つ太陽電池だ。なるほど、次世代型太陽電池を使用しているので少し高めになるのだ。発電効率が高いので、出力は200キロワットと想定したがもう少し上かもしれない。たとえば220キロワットとすると、1キロワット当たり設置単価は約68万円となり、スケールメリットはないもののまあまあの単価となる。ほとんど数字の遊びの世界だが。

高層マンション建設で太陽光発電量減少

神戸の話題。神戸新聞サイトの11月1日記事"新築マンションで太陽光発電量減 「日照権」は?"から一部を引用する。

神戸市内の商店街で、アーケード上に設置した太陽光発電パネルに新築マンションの影がかかり発電量が低下したため、このマンション住民が商店街に、低下した発電量分の電力料金相当額を「協力金」として払っていることが、分かった。政府は環境対策として太陽光発電を一般住宅にも普及させる方針だが、建築基準法の日影規制などに触れない建物でも発電量に響く場合があり、日照権がどこまで認められるかは今後、議論を呼びそうだ。(貝原加奈)

2004年、中央区の元町5丁目商店街が、街路灯などの電力用として発電パネルを設けた。同商店街関係者によると、冬場で月に1500キロワット、4万円分を発電できると見込んだが、06年に南側にマンションが建ち、発電量が25%減った。商店街側の申し入れを受け住民側は月に約1万円の「太陽光発電協力金」を支払うことで合意した。

商店街と住民の協議に参加したマンション建設業者は「パネルの存在は知っていた。建築基準法の日影規制は守っているが、商店街の公共性に配慮した」と説明する。その後に建設された別のマンションも同様に協力金を払っている。

日照権訴訟に詳しい蒲田豊彦弁護士(大阪市)によると、愛知県で08年10月、近隣のマンション建築により発電量が減ったとして、個人がマンション業者に発電パネルの増設費負担などを求め提訴した例があるという。「判決では、被害が受忍限度内で不法行為はないとし請求の一部が棄却されたが、建物の影による発電量低下は予見可能で、損害も具体的に示せる。今後は建築基準法などに触れない建物でも、受忍限度を超え、損害を与えたと裁判で認められる例が現れるのでは」と指摘する。
...(C)神戸新聞

太陽がさんさんと当たる場所に太陽光発電システムを設置したが、南側に高層マンションが建ち日照が大幅に低下してしまった、という、今後の日本のあちこちで発生する問題の事例だ。

一番の問題は、その高層マンションは建築基準法に抵触していない、合法建築物、ということだ。この事例の場合は、マンション建設会社が「太陽光発電協力金」を支払う、ということで合意したそうだ。解決方法がマンション建設会社の善意に頼るようでは、今後の同種の問題には対応できない。

記事によれば、マンション建設で太陽光発電設備の発電量が減った、と訴訟があったが、基本的には「負け」だったようだ。しかし今後は、損害が裁判で認定される例も出てくるのではないか、という弁護士の予想もあった。

これは、法整備が急務と思う。建築基準法の日照権に抵触していなくても、日照量の減少により損害を与えれば、たとえばその損害額の8割を恒久的に支払う、などのように法を変える必要がある。ある高層建築物によりある領域の日照がどれだけ現象するかはソフトウェアの日照シミュレーターで計算できるはずなので、損害額は正確に計算できるはずだ。

このような法整備を急がないと、全国でマンション建設会社相手の損害賠償訴訟が起こされるだろう。

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