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カテゴリー:海外

三洋電機はイタリアの大規模太陽光発電所にHIT納入

5月27日のSankeiBizサイト記事”三洋電機、過去最大の太陽電池受注 高性能「HIT」型、市場拡大へ”から一部を引用する。

三洋電機は26日、イタリアの大規模太陽光発電所(メガソーラー)に出力7567キロワットの太陽電池を納入すると発表した。納入するパネルは3万2202枚の同社製「HIT太陽電池」。ドイツ銀行が主導するコンソーシアム(共同事業体)が9月の完成を目指してイタリア南東部に建設する発電所が採用を決めた。世界的に環境配慮への意識が高まっているのを背景に、需要拡大が続く太陽電池事業を強化、主に産業用での採用を働きかける方針だ。

受注金額は明らかにしていないが、三洋としては過去最大の受注案件となる。

発電所は、ドイツ銀の資産運用部門などが出資するSPC(特別目的会社)が事業主体。イタリアでは、太陽光で発電した電力を買い取る制度が整備されており、太陽光発電の売電ビジネスが活発化しているという。ドイツ銀は、SPCの持ち分を金融商品にして、売電事業による利回りを求める投資家に販売する。

単結晶シリコンと薄膜系のアモルファスシリコンを組み合わせた複合型のHIT太陽電池は、発電効率が20%と一般的な太陽電池に比べ5ポイント程度高く、設置スペースが限られている住宅向けに適しているとされてきた。今回、広大な設置面積を確保できる発電用にも納入できたのを機に、産業用への拡大を図っていく。(C)SankeiBiz

三洋電機はイタリアの大規模太陽光発電所に出力7567キロワットの太陽電池を納入すると発表した。納入するのは三洋電機の高性能なHIT太陽電池による太陽光パネル3万2202枚。この数字から、このHIT太陽光パネル1枚当りの出力は、7567キロワット÷3万2202枚 ≒ 0.23キロワットだ。通常の単結晶型の太陽光パネルの出力が約0.2キロワットだから、このHIT太陽電池は能力が高いことがわかる。

この話題の面白いところは、大規模太陽光発電所に納入される太陽電池が高性能型の太陽電池ということだ。大規模太陽光発電所は設置面積がかなり広い。なので通常は、能力はそれほど高くないが価格が安い、薄膜型太陽電池が一般的だ。ところが今回の案件はそうではなく、太陽光発電パネル商品としては最も能力の高いHIT太陽電池が使用される。それは、この発電所が金融商品だからだ。

この発電所はドイツ銀行が主導して設置し、ドイツ銀行の持分を金融商品にして売電による利回りを追求する金融商品、という位置付けである。このような太陽光発電を利用した金融商品が成り立つのは、さすがに売電価格の高いヨーロッパならでは、だ。

この引用記事の後半は、三洋電機の状況を的確にまとめた良い記事だ。次のとおりだ。

■高い製品力実証 強力な武器に

太陽電池市場では、原材料となるシリコンの使用量が、従来の「結晶型」に比べて100分の1程度で済む低コストの「薄膜型」が伸びるとみられている。発電効率は約10%と結晶型に比べて半分だが、価格が安く、産業用での導入が進むことが期待されている。すでに国内首位のシャープが薄膜型の新工場を稼働させるなど、各メーカーは攻勢をかけている。こうした中、三洋が薄膜型ではなく、結晶系のHIT太陽電池で発電所向けに納入を決めたことは、三洋の製品力の高さを改めて立証した格好だ。

三洋は「薄膜型」の太陽電池も手掛けている。すでに新日本石油と折半出資会社を設立し薄膜型の研究開発を進め、今年度中に生産、販売を行う計画だ。

これにより産業用については、顧客の要求に応じて、高出力のHIT太陽電池か低コストの薄膜型を提供できるようになる。

低コストだけでなく技術力の高さを武器に、三洋は成長が見込まれる産業分野で優位性を大いに発揮しそうだ。(C)SankeiBiz

まとめると、三洋電機は高性能のHITと、価格の安い薄膜型の両方を事業化している。顧客の要求に応じてそれらを提供できることは非常な強みだ。

タイに納入された太陽光パネル

今日は久しぶりに海外の話題だ。先日大きく話題になったタイ。5月26日付けの読売新聞サイト記事「タイに太陽光パネル納入…京セラ」から。

京セラは25日、タイの発電事業者が東北部に建設した太陽光発電施設向けに計6000キロ・ワット分(計約2万9000枚)の太陽電池パネルを納入したと発表した。東南アジア最大級の太陽光発電施設で、一般家庭約5000世帯分が1年間に使う電力を賄えるという。(C)読売新聞

タイの太陽光発電施設に京セラが太陽光パネルを納入した話題だ。この太陽光発電所の出力は6000キロワット、ということは6メガワット。東南アジアでは最大級の太陽光発電施設、とのことだがこの大規模出力では当然だろう。

この6000キロワットのために納入した太陽光パネルは約2万9000枚。ということは、太陽光パネル1枚当りの出力は、6000キロワット÷29,000枚 ≒ 0.2キロワットとなる。この数値から、納入された太陽光パネルはごく一般的なものであることがわかる。

また、出力が6000キロワットであることから、日本なら年間発電量は6,000,000キロワット時となるが、日照の多い東南アジアなので7,000,000キロワット時とする。この電力が一般家庭5000世帯分というから、タイの一般家庭の年間使用電力は 7,000,000キロワット時 ÷5000世帯 ≒ 1400キロワット時となる。日本の家庭なら年間使用電力量は3000~4000キロワット時程度なので、さすがにタイの家庭の電力消費は日本の1/3~1/2程度であることがわかる。

それにしても、たったこれだけの短い記事からいろいろなことがわかるものだ。

中国で太陽光発電の研究施設の建設がスタート

中国の人民日報日本語サイトの2月12日記事「太陽光発電技術国家重点実験室の建設がスタート」から一部を引用する。

太陽光発電技術の国家重点実験室がこのほど科学技術部の認可を経て、河北省保定市の英利集団で起工した。投資総額は5億4千万元。人民日報海外版が12日に伝えた。

同実験室は、国内外の著名な専門家による学術委員会、省・市の主管部門、委託機関の指導者による管理委員会の指導と監督の下、「開発、流動、連合、競争」の4つを重視した運行メカニズムを採用し、英利集団の太陽光発電産業チェーンと技術モデルを利用して、主に▽晶体シリコン材料▽太陽電池と太陽電池モジュール▽太陽光発電システム--の応用および基礎研究を行っていく。

研究・開発の方向は、▽シリコン材料の調合および特徴研究▽高性能太陽電池および部品の研究▽太陽光発電システムの応用と基礎研究--など。

国家科技イノベーションシステムの重要な構成部分である同実験室は、ハイレベルな科学プロジェクトの研究開発、人材育成、学術交流、成果の実現が一体となった重要な拠点であり、中国の太陽光発電分野において、最高の研究・開発レベルを有する。
...(C)人民網日本語版

いつも思うのだが、この人民日報日本語版サイトに日本語は読みにくい。この記事では「英利集団」が何であるかがよくわからない。ネットで検索したところ、2006年4月17日付という非常に古い日経BPネットサイト記事中国ニュース解説 太陽光発電に投資ブーム中に、太陽光発電会社に投資する会社として英利集団の名がある。最近の記事では、新華社サイトに

英利集団(YGE.NYSE)傘下の六九硅業有限公司は新たなシリル化処理法で3000トンエレクトロニック純度の多結晶シリコンを生産する計画だ。このほど、同生産プロジェクトは試運転に成功し、企業の総合的な電力消費は30%以上下降する見込みだ。これにより、中国で高純度のシリコンを起点とするシリコン産業チェーンの...(C)新華社

とあるので、英利集団は太陽光発電関連の大会社であることが想像できる。その傘下に、多結晶シリコンを生産する会社があるようだ。もちろんこの多結晶シリコンは太陽光発電用だ。

さて最初の記事に戻ると、太陽光発電の国家重点実験室がその英利集団で起工した、というニュースだ。研究目的は
”▽晶体シリコン材料▽太陽電池と太陽電池モジュール▽太陽光発電システム--の応用および基礎研究”
とある。「晶体シリコン材料」とは単結晶か多結晶かがよくわからないが、直前引用記事からすると、また世の流れからして、多結晶シリコン材料と思う。

この研究は要するに、単結晶シリコンよりは安い多結晶シリコンを用いて、より少ないシリコンでかつより高効率の太陽電池を研究すること、が目的のひとつ、または主目的だろう。

中国はシリコン「後」の他のタイプの先端的な太陽電池の研究は日本にかなり遅れをとっている、と新聞記事で読んだことがあるが、やはりそのとおりで、シリコンでいかに安く太陽電池を製造して世界に売るか、ということが国家戦略、とみなすことが出来るだろう。

バチカンに巨大な太陽光発電

今日も海外の話題。バチカン市国の太陽光発電だ。1月30日付の朝日新聞サイト記事「法王、エコも伝道 バチカンで世界有数の太陽光発電計画」から一部を引用する。

世界最小の主権国家・バチカン市国が、世界有数の規模の太陽光発電所建設を計画している。ローマ市郊外に出力100メガワットの発電所を建設し、2014年前後の稼働を目指す。科学との対立もあったバチカンも環境対応では先端技術導入に意欲的だ。売電による収入の魅力も小さくない。11億人の信者を持つカトリック総本山だけに、世界的な普及に一役買うことも期待されている。

発電所は、ローマ北部にある市国の管理地約3平方キロメートルが候補地で、約5億ユーロ(約630億円)を投じる。発電量は4万世帯が1年間に使用する量に相当する。小さい国だけに、市国として使うのは発電量の3割ほど。残り7割は、再生可能エネルギーの導入を進めているイタリアに売却するという。

市国と太陽光発電の関係は、08年にローマ法王ベネディクト16世が一般謁見(えっけん)をする「パウロ6世ホール」(収容人員1万人)に発電設備を導入したのが始まり。屋根を覆っていた日よけコンクリート板の老朽化を機に、太陽光パネルに切り替えた。いま、広さ約5千平方メートルの屋根に2394枚のパネルがびっしりと並ぶ。二酸化炭素の排出を年間225トン減らせるという。

現法王は、元日の新年メッセージで「気候変動による砂漠化や大災害の増加などに無関心でいることができるのか」と呼びかけるなど、環境問題に積極的。市国で太陽光発電プロジェクトを担当するクッシャンナ氏は「太陽光は神の贈り物。環境問題の解決のために太陽光発電を普及させることはバチカンの役目だ」と話す。
...(C)朝日新聞

バチカン市国が大規模な太陽光発電所を建設予定だ。建設場所はローマ北部のバチカン市国の管理地。出力は100メガワットで、2014年の稼動予定。小さな国なのに100メガワットとは極めて大規模だ。同国が使用するのはその3割ほどで、残りはイタリアに売却する。

そもそも同国が最初に太陽光発電設備を導入したのは、ローマ法王が謁見する収容人員1万人のホール。2008年にその屋根に2394枚の太陽光パネルを敷き詰めた、とのこと。通常は1枚の太陽光パネルの最大出力は0.2キロワットなので、枚数と掛け算すると、最大出力は約480キロワットとなる。一般家庭の約百数十軒分なので、これでも充分に大きい。そして今回建設予定は単位が上で、メガワットのオーダー、それも100メガワット。メガソーラーとしても非常に大きい。

なお建設費は約5億ユーロ、円に換算すると630億円だ。出力は100メガワット、つまり100,000キロワットなので割り算をすると、1キロワット当たりの建設費は63万円となる。少し安めの一般家庭における設置費と等しいので、メガソーラーとしては少し高め、かもしれない。ただ付随設備も極めて大型になるので、一般家庭との比較は土俵が違いすぎて無理があるかもしれない。

とれはともかく、ヨーロッパの小国でもメガソーラー建設の動きは盛ん、といえる。

アフリカに太陽光発電を寄贈

読売新聞サイトの1月25日の記事「三菱商事、エチオピアに発電パネル」から。

三菱商事(東京都千代田区)は、エチオピア南部の電気の通じていない二つの村に太陽光発電パネルなどを寄贈した。

提供したのはパネルのほか、農業技術講習用のテレビと動物治療薬の保存用冷蔵庫などで、農業訓練や家畜の診療に役立ててもらうのが狙い。化石燃料を使用しない自然エネルギーを普及させることで、温室効果ガスの増加を抑える効果もある。同社は2007年にも電気の通じていないインドの村に太陽光発電で稼働する外灯を寄贈している。(C)読売新聞

三菱商事はエチオピアの電気の無い2つの村に太陽光発電パネルなどを寄贈した。他に農業技術講習用のテレビと動物治療薬の保存用冷蔵庫など。これだけ読むと単なる美談だが、裏は全然違う。

このブログの1月16日記事「日本の商社がアフリカに太陽光発電設置」に書いたとおりだ。豊富な資源や大マーケットのアフリカへの進出は中国に先を越されてしまった。そこで商社は、アフリカの国々から良いイメージを持たれるよう、このような社会基盤整備や自立への介助を行っている。もちろん最終的な狙いは、資源、購買力だ。特にアフリカには希少金属が多く埋蔵されているので、それが大きな目的だ。まあ、商社の立場では希少金属の入手は日本の国益になる、だろうが。

世の中には綺麗事は無い、という好例の記事ではあった。

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